ビタミンB2は水溶性のビタミンです。青魚やレバー等に含まれていますが、その含有量が少ないために、不足しがちな栄養素と言われています。ここではビタミンB2の欠乏症である発育不良や皮膚炎について、そしてどんな食べ物に多く含まれているかご紹介します。
ビタミンB2の働き
ビタミンB2は脂質の代謝に関わる栄養素です。酸化還元酵素の補酵素として働く、フラビンアデニンヌクレオチド(FAD)やフラビンモノヌクレオチド(FMN)を作る材料でもあり、エネルギーの産生や代謝に重要な役割を果たしています。つまり、食事をして、体の中に入った脂肪分を代謝しエネルギーに変え、分解されていく際の1つの反応にビタミンB2は関わっているのです。
また、子どもでは、正常な発育に欠かせない栄養素です。
ビタミンB2の欠乏症
1.子どもの発育不良
不足すると子どもでは、身長が伸びない、体重が増えない、頭囲が大きくならない等の発育不良が起こります。
2.皮膚疾患
ビタミンB2は皮膚の新陳代謝を正常にする働きもあるため、不足すると以下のような皮膚トラブルが起こります。
口の中の炎症を口内炎とまとめて呼びます。部位によって口角にあらわれた物を口角炎、口唇にあらわれたものを口唇炎といいます。いずれも抵抗力の低下や、ビタミンB2不足によって起こります。
口内炎は、ビタミンB2の他にビタミンB6やナイアシンが不足した際にも起こります。
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ビタミンB2を多く含む食べ物
食品名 | 目安量 | 含有量(mg) |
牛レバー | 1切れ(20g) | 0.6 |
うなぎの蒲焼 | 1串(100g) | 0.74 |
鶏レバー | 1個(40g) | 0.72 |
牛乳 | 1カップ(210g) | 0.32 |
あわびの塩辛 | 20g | 0.14 |
いわし | 2尾(80g) | 0.29 |
ぶり | 1切れ(80g) | 0.29 |
さわら | 1切れ(80g) | 0.28 |
まがれい | 1切れ(80g) | 0.28 |
ビタミンB2の食事摂取基準
厚生労働省が推奨している「日本人の食事摂取基準」を元に、1日にどれくらいの量のビタミンB2を摂ればよいか、見ていきましょう。
性別 | 男性 | 女性 | ||||
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 |
0~5(月) | ― | ― | 0.3 | ― | ― | 0.3 |
6~11(月) | ― | ― | 0.4 | ― | ― | 0.4 |
1~2(歳) | 0.5 | 0.6 | ― | 0.5 | 0.5 | ― |
3~5(歳) | 0.7 | 0.8 | ― | 0.6 | 0.8 | ― |
6~7(歳) | 0.8 | 0.9 | ― | 0.7 | 0.9 | ― |
8~9(歳) | 0.9 | 1.1 | ― | 0.9 | 1.0 | ― |
10~11(歳) | 1.1 | 1.4 | ― | 1.0 | 1.3 | ― |
12~14(歳) | 1.3 | 1.6 | ― | 1.2 | 1.4 | ― |
15~17(歳) | 1.4 | 1.7 | ― | 1.2 | 1.4 | ― |
18~29(歳) | 1.3 | 1.6 | ― | 1.0 | 1.2 | ― |
30~49(歳) | 1.3 | 1.6 | ― | 1.0 | 1.2 | ― |
50~64(歳) | 1.2 | 1.5 | ― | 1.0 | 1.2 | ― |
65~74(歳) | 1.2 | 1.5 | ― | 1.0 | 1.2 | ― |
75以上(歳) | 1.1 | 1.3 | ― | 0.9 | 1.0 | ― |
妊婦(付加量) | +0.2 | +0.3 | ― | |||
授乳婦(付加量) | +0.5 | +0.6 | ― |
特記事項:推定平均必要量は、ビタミンB2の欠乏症である口唇炎、口角炎、舌炎などの皮膚炎を予防するに足る最小量からではなく、尿中にビタミンB2の排泄量が増大し始める摂取量(体内飽和量)から算定。
離乳食の時期から色々な食材に慣れさせる
子どもの身長や体重が増えないと聞くと親としては心配ですね。
近年、お刺身を食べない子どもやレバー等が苦手な子どもも増えてきていると聞きます。
かくいう私もレバーが苦手でした。その理由の一つに、子どもの頃からあまり食卓に出たことがありませんでしたので、味や食感に慣れていなかったということがあります(家族の誰かが苦手だった可能性もあります)。
3歳までの食事は一生の味覚を左右するとも言われています。好みの問題もありますが、離乳食~幼児期から色々な食材に慣れさせておくことが重要です。
また、レバーをあまり食べなかった私は、魚は好きだったので、魚でビタミンB2を補っていたのでしょう。身長はクラスで後ろから3番目あたりで、比較的高い方でした。今現在も162cmと女性では低くはないですね。
遺伝の要素も含まれますので絶対ということは言えませんが、苦手な食材があれば他の食材で栄養素を補っていきましょう。
ビタミンB2は若い世代にも不足している
私は学生時代~社会人にかけて、一人暮らしをしていたのですが、忙しいとついついコンビニ弁当やスーパーのお惣菜にお世話になることが多く、当時頻繁に口内炎や口角炎になっていました。
魚やレバーなんかは意識しないとまず買わない食材でもあったし、外食でもあまり選ばないメニューです。若い方や単身暮らしの方、青魚やレバーが嫌いな方もビタミンB2が不足しているように思います。
また、ビタミンB2の豊富なうなぎは少し高価ですよね。国産のものとなると特に、毎日食べるのは金銭的に苦しいですしメニューも単調になりがち。ですので、比較的安価で毎日摂りやすい牛乳はビタミンB2の摂取におすすめの飲料だと思います。
またビタミンB2は多く摂ったとしても尿として排出されるので、過剰症の心配はまずありません。しかし、体の中に蓄えることができないので、不足しないように毎日の食事で補う必要があります。
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