ビタミンKは、脂溶性のビタミンで、血液の凝固に深く関わりのあるビタミンです。最近の研究では、骨粗鬆症の改善にビタミンKが有効があることも分かってきています。ここでは、ビタミンKの働きと、欠乏症、多く含む食べ物について詳しくご紹介します。
ビタミンKの働き
骨芽細胞(骨組織の表面に存在し、新しい骨をつくる働きをもつ細胞)の分化を促し、骨の形成を促進する働きがあります。
また、コーヒーなどのカフェインを含む飲料や、アルコール飲料を多く摂取すると、飲まない人に比べ、カルシウムが尿中に多く出ていってしまいます。ビタミンKは、骨に存在するたんぱく質である、オステオカルシンを活性化させ、カルシウムが尿に排出するのを防いでくれる役割もあります。
さらに、ビタミンKは血液凝固因子の合成に関与するビタミンで、ビタミンKが不足すると、正常な血液凝固因子が合成されないため、結果、止血に時間がががります。
ビタミンKの欠乏症
- 出血の際、血が止まらない(止血に時間がかかる)
- 頭蓋内出血
ビタミンKを多く含む食べ物
ビタミンKは植物由来のビタミンK1と、微生物由来のビタミンK2とがあります。K1は主にほうれん草やブロッコリーなどの野菜類や、ほしのりやカットわかめなどの海藻類に多く含まれ、K2は納豆などの大豆発酵食品に多く含まれています。化学名が違うだけで、どちらも働きに違いはありません。また、腸内細菌によってもビタミンKは合成されます。
食べ物 | 1食あたりの目安量 | 含有量(㎍) |
ひきわり納豆 | 40g(1パック) | 372 |
糸引き納豆 | 40g(1パック) | 240 |
モロヘイヤ | 40g | 256 |
ほうれん草 | 70g(お浸し1人前) | 189 |
ブロッコリー | 30g(2~3房) | 48 |
小松菜 | 70(お浸し1人前) | 147 |
ほしひじき | 10g(大さじ2) | 32 |
ビタミンKと骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨からカルシウムが溶け出して骨量が減少する全身性の病気です。骨量が減少すると、骨がスカスカで折れやすくなるため、少しつまづいただけで骨折してしまったり、骨折したことで病院で検査をすると、骨粗鬆症が発覚した、ということもよくあるようです。骨に良いのはカルシウムだと言って、牛乳などの乳製品を多く摂ることを考えがちですが、骨粗鬆症の食事療法で重要なのは、骨の形成に必要なカルシウムはもちろん、骨形成を促進するビタミンK、リンの吸収を促進するビタミンDを十分に摂ることです。
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骨粗鬆症の原因
骨量は30代をピークに、40歳を超えると、男女ともにだんだんと減少していきます。特に、閉経後の女性は骨粗鬆症になりやすいと言われていて、閉経前後の女性ホルモンエストロゲンの低下とともに、閉経後は骨量も急激に減少します。
骨粗鬆症になりやすい方をまとめてみました。ご自身はあてはまるかどうか、参考にしてみてください。
20代までに最大骨量を高くしておけば、閉経後の骨量減少をゆるやかなものにできるよ
ビタミンKの1日あたりの摂取目安量
1日あたりのビタミンK摂取量は、日本人の食事摂取基準を参考にします。日本人の食事摂取基準は、健康増進法(平成14年法律第103号)第16条の2の規定に基づき、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を、厚生労働大臣が定めたものです。ビタミンKの摂取目安量を記載しましたので、参考にしてみてください。
性別 | 男性 | 女性 |
年齢等 | 目安量 | 目安量 |
0~5(月) | 4 | 4 |
6~11(月) | 7 | 7 |
1~2(歳) | 50 | 60 |
3~5(歳) | 60 | 70 |
6~7(歳) | 80 | 90 |
8~9(歳) | 90 | 110 |
10~11(歳) | 110 | 140 |
12~14(歳) | 140 | 170 |
15~17(歳) | 160 | 150 |
18~29(歳) | 150 | 150 |
30~49(歳) | 150 | 150 |
50~64(歳) | 150 | 150 |
65~74(歳) | 150 | 150 |
75以上(歳) | 150 | 150 |
妊婦 | 150 | |
授乳婦 | 150 |
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